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03:札幌市営路面電車  
札幌市交通局 A2000型連接車(現在)
札幌市交通局A2000型車両解説

1982(昭和57)年に開業した札幌市電東西線円山公園〜新さっぽろ間の急行運転用に導入された札幌市電初の3車体連接車。 東西線の計画当初は南北線と同じ1000系を6両編成に短縮の上投入する予定であったが、西18丁目〜円山公園間併用軌道区間の1500V電化が許可されなかったことや、西18丁目〜円山公園間軌道法特認(30mオーバーの車両による客扱いの禁止)が降りなかったなどの理由で1000系の導入が不可能と判断され、また準地下鉄扱いとは言え駅間距離の短い併用軌道区間では大型車両の導入は難しかった事から専用車両の出現となった。
  車両の設計は1979(昭和54)年にデビューした江ノ電1000型をベースとした普通鋼製ボディだが、沿線人口の多さなどを考慮して3車体連接構造、さらに大通までは既存の市電とは独立した新線であると言う事を活かして国内路面電車用車両としては異例の全幅2650mmと言う大型車体を採用し、広島電鉄3650系を上回る当時としては国内最大の路面電車用車両となった。車体構成は江ノ電1000型をベースとしているが、新さっぽろ〜ひばりが丘ならびに菊水〜西18丁目間の地下線に対応するのと、ラッシュ時の併結重連運転に備えて前面はA-A-A基準に準じた脱出経路を兼ねた貫通扉を付け、スノープラウを兼ねた大型のスカートや大型バンパーのため車体幅が広がった事も有って江ノ電1000系より遥かにいかつい印象を与える。また床下も定鉄2400系や地下鉄1000系に準じた大型の一体型スカートが取り付けられた。このカバーは乗降口の部分に空気圧上昇式のステップが取り付けられ、併用軌道上に臨時停留所が設けられた場合の客扱いに対応している。本来、東西線の内既存の一条線区間を改良した西18丁目〜円山公園ではホームが都電荒川線に範を取ったかさ上げ式ホームとなっているため不要に思えるが、円山公園近辺でイベントが発生した際や花見シーズン、年末年始などに際して臨時停留所が設けられることが決まって居たためであると思われる。
 下回りは地下鉄1000系を基本としており、制御機系は三菱製サイリスタチョッパ制御、台車は東急製シュリーレン台車TS910型は同じであるが、床下機器はユニット構成が2両から3両へ変更されたためかなり違いが出てきている。中間車には無人停留所でのパッセンジャーフロー(乗客誘導)の観点から幅1900mmと言う大型の両引き扉が設けられたが、開業前に路上無人停留所での連接車による客扱いは道路交通法および軌道法の関係で不可能となり、現在は専らラッシュ時の乗客を捌くためにその能力を発揮している。
  東西線開業に合わせて3両連接12本が、オリンピックにあわせて翌1983(昭和58)年末に同型6本が投入された。現在も平行して走るJR千歳線の電車に対抗するべく冷房化などの近代化改装を受け合計18編成54両が現在も運用されているのだが、登場から20年以上を経て後継車の話も出始めてきている。

札幌市交通局 A2000型(東西線開業時)

市電東西線 本郷小学校前〜南郷7丁目間

■コメント

ある意味定鉄2003車両群の中では「ボクの考えた最強100万パワー超人」度合いの強い設定だったりするトンデモ車両、A2000型連接車です。プレバブル期の開業でオリンピックを控えてる状態でLRTとして開業するのはありえないと思うけど、とか連接車より大型のボギー単車を複数連結して走らせた方がラッシュアワー対策にはいいんじゃないの?と言う突っ込みも有るかも知れませんが、札幌市電では導入されなかった3連接車を導入してみたかったとか、欧米ではすでに普及し始めていたヨーロッパ式の本格的なLRTを新交通システムブーム下にある1980年代初頭の日本で登場させてみたらどう社会が変化したか?と言うのを試したかったと言う理由があったりします。東西線のイメージは1920年代アメリカのインターバンの近代版と言ったところですし、京阪京津(けいしん)線もイメージソースになってるんで…。ベースとなる車両は他にも東急製って線で行けば海外輸出用として1970年代半ばに投入されたサンフランシスコのSLRVと1985年のバッファロー市電用車両の中間と言うネタもありますが、掲示板でも時期的に難しいのではと言う意見もあり、よくよく考えてみると他の人とネタが被るうえにBBSでの意見を総括すると国内での運用実績を考え、江ノ電1000系を輸出用市電車両のフォーマットにあわせて再設計し、地下鉄1000系の足回りを組み合わせた車両が現実味あるかな、と言う事でこのような形となりました。車体幅2650mmというのは実質地下鉄並みの輸送量を持つ東西線をLRTで捌くには2400mm台では3連接でも無理があるだろうと思いますし、東西線のイメージは市電というより京阪京津(けいしん)線ばりのインターアーバンに持って行きたかったと言うのもあったりします。まぁ現実の札幌市営地下鉄は3090mmと言う新幹線並みの車体幅してますからまだ不安要素は残るんですが…。しかしとんでもないスペックになってしまったなーと思ってます。車体の原型である江ノ電1000型はこの時期まだつりかけ駆動なのに、此方はチョッパ制御+国電なみのMT54型モーター+回生ブレーキ付きのモンスターですからね。パワーウェイトレシオで行けばE231系以上かも…。形式番号に関しては札幌市電連接車がA850で終わってるので、続番か「A8200型」でも良いのでしょうけど既存の市電線と連絡の無いまったくの新型車両ですから、あえて地下鉄1000系に続く形で2000とし、札幌市連接車両の特徴である「A」ナンバーをつける形としてみました。江ノ電1000系もモデル化されてますし、比較的容易に模型化できる車両かも…。ものすごい殿様モデリングになりそうですが(汗)ハセガワMODEMOの江ノ電1000を2セット、GMの京王6000系用台車4個、PS102型パンタグラフetc…。

車両詳細
製造初年 1982(昭和57)年 台車形式 台車:東急車輛製TS-910型台車
(乾式円筒軸案内方式)
改造初年   電動機・駆動形式  MT54A型(120kw) 
中実平行軸カルダン駆動TD継手
一編成当たり8基
全長(3車体連接) 300000mm(10800mm+7500mm+10800mm) パンタグラフ形式  PS-102B(直流用下枠交差型)
全幅 2650mm 制御方式  電動カム軸発電制動及び抑速制御付き
電機子チョッパ制御(1C8M)
全高(パンタ折り畳み面) 3680mm ブレーキ方式  回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキ
重量 20.2t(A2000/2100)/18.5t(A2200) 運転最高速度(加減速度)  95km/h(加速3.5km/s。減速4.0km/s)
乗客数 220名(座席50+立席170) 在籍両数  三連接X18本 計54両
製造メーカー 東急車輛株式会社 長津田工場    
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