ご存知の通り、札幌の冬は半年以上続き、積雪量は年平均2m近く、気温も時としてマイナス20度近くに達する事も有ります。このような積雪寒冷地に札幌市だけで180万、周辺の江別・石狩・北広島の3市を含めると200万を超える人口が集中しているのは世界でも稀なことなのです。
そのような環境で70年代後半から国内で唯一欧米に伍してLRT環境の整備を行ってきた札幌市には他の地域では見られない特殊な車両が多数存在しております。各種様々な車両が存在する札幌市ですが、その共通した特徴を挙げると以下の通りとなります。
1・大型車体・連接・連結車両の多さ
これは、札幌市電のうち東西線・東豊線はほぼ準地下鉄と言って良い規模の輸送人数や沿線人口規模を持っていることが上げられます。
そのため、両線は路面電車としては超大型の2698mmと言う車体幅を採用してますが、それでも沿線人口の規模で行けば地下鉄でも可笑しくないと言われる規模だけに
とても通常「路面電車」の言葉からイメージされるような車両ではなく、軌道法ギリギリのサイズである全長30m3車体連接と言う大型車両でなんとか凌いでいる状態なのです。むしろ「地下鉄の電車が路面を走ってる」と言っていいのが札幌郊外線なのです。
2・耐寒・耐雪装備の充実
厳しい冬の環境に半年近く封印される札幌だけに、他の地域とは違った装備が求められています。旭川などの極寒冷地での運用も考慮されたJR型車両と違い
両引き扉の採用など本州型通勤電車と大差ない印象を与えますが、床下全体を覆う塞ぎ板や耐寒性を重視した円筒案内方式(シュリーレン)台車。
吹雪の時の視認性向上を図った4つ目ヘッドライト等、細部を見ていくと明らかに北国の電車だと言う事を感じさせてくれます。
路面電車に置いて、初めてヘッドライトのHID化を行ったのも札幌市電なのです。
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